おじさん無敵かよ。
◯概要
歩道でも駅でもお構いなく痰を吐き出すかなり害悪なおじさん。なぜそんなに痰が絡まるのか、おじさん七不思議に加えても良いのでは。ちなみに、たまに吐き出さずに飲みこむ猛者がいる。怖汚い。
◯特徴
・周りの目とか気にしない。
・カー!の音がでかい。
・ぺ!の勢いの良さ。
・水道でぺ!する紳士(いや紳士じゃない)もいる。
・水分をあまり摂らない。
◯カー!ぺ!おじさんに一言
その姿、孫や子どもに見せられる?あ、いないよなごめん。
◯エピソード
30代になって周りにも子どもができ始めた頃、久々に東京の友人宅で集まって飲んだ。人生を順調に歩んでいる人たちと違って、集まったメンバーは独身のまま置いてかれた者ばかり。久々に会うのもあっておおいに盛り上がり、一晩中騒いだ後に朝帰りをした。
途中の電車でうつらうつらしながらなんとか自宅の最寄り駅に着いた。「朝帰りなんて久々だ〜」なんて思いながら、何か悪い物質でも溜まっているかのような感覚の身体を一生懸命動かす。朝の日差しは疲れた心を貫き、辛いながらも清々しい空気を味わった。駅から少し離れたパーキングに車を停めていたので、朝の散歩を楽しみながら進む。眠気と疲れと気持ち良さに包まれた不思議な時間だった。
ふと前を見ると60〜70歳くらいのおじさんが歩いている。昨晩の東京では見なかったタイプ。まあ東京でも浅草のホッピー通りや上野の呑み屋街にはいるかもな、なんて思って歩いた。もうお酒のことなんて考えたくないのに、おじさんを見ながら「ああ、久々に浅草の肉豆腐で一杯してぇ」と考えてしまった。ああ、おれってなんてダメ人間なんだろう。「いかんいかん、早く家に帰ろう」そう思っておじさんを追い越そうと距離を詰めた。
すると・・・
「カーッ!!・・・・・・ぺ!!!」
痰のミサイルが発射された。。。
しかも自分の歩いている目の前で。全身が凍りつくと同時に鳥肌が立ち、毛も逆立つのが分かった。もうあれよ、まっくろくろすけにビビったメイちゃんとかオクサレ様に札渡されたときの千尋くらいのあの感じ。
反射的に「おぅ」という声を出しながら立ち止まった。おじさんはこっちには気づいていない。それどころか2回目の攻撃を仕掛けてきた。
「カーッ!!・・・・・・・・」
「ぺ」がない。
「飲んだんだ。。。」本当にげんなりした。嫌悪感は一気にMAXまで上昇し、同じアスファルトを踏むのすらイヤになった。念の為ものっすごい迂回しておじさんの成分を踏まないように歩いたが、その靴で車に乗るのもなんだかモヤモヤした。お金が無くて公園の木の実や雑草を食べていた経験のある自分ですら、このときばかりは潔癖になった。
眠気なんてすっかり吹き飛び、代わりに怒りの感情がフツフツと湧いてきた。他人に対してこんな気持ちになるのも久々だった。あんた何考えて生きてんだよ。
「その姿、孫や子どもに見せられる?あ、いないかごめん。」