奥さん絶対家で怒ってる。
◯概要
週末にたびたび現れるハメを外してしまいがちなおじさん。暖かい時期には駅前のベンチで溶けるように寝る習性があり、日本の風物詩となっている。現在は生息数が減少している。
◯特徴
・だいたいスーツ姿。
・植え込みとベンチを間違える。
・仲間に置いてかれる。
・普段はマジメ。
・最近あまり見なくなった。
◯泥酔おじさんに一言
お疲れー。
◯エピソード
若い頃はお酒の失敗がたくさんあった。と言っても週末の泥酔おじさんのような、終電を逃したことも気づかずに駅のベンチで寝てしまうような失敗は数回しかない。自分のお酒の失敗といえば、ポケットに刺し身が入っていたり、メガネのレンズがなくなっていたり、起きたら埼玉県和光市だったり、怖い先輩の車で吐いたり、全てを諦めて道端で寝たり、顔を落書きされたことを知らずに翌日のSEIYUで優雅に買い物をした程度である。
週末にハメを外してしまうおじさんはたくさんいるが、実はそんなおじさんと飲んだ記憶がない。なぜなら自分がハメを外しすぎて覚えていないからだ。なので、お酒が飲めるようになる前のエピソードを書こうと思う。
高校生の頃、音楽にドハマリし初めて一人でフェスというものに行った。電車で3時間ほどかかったが、生まれて初めて体験する爆音や生で見るアーティストの熱気、オーディエンスとの一体感に夢中で、気がつけば21時の終演の時間になってしまっていた。
田舎出身の自分は当時電車に乗る習慣がなかったので「終電」というものを知らなかった。22時頃に電車に乗り、乗り換えの大きな駅に0時頃到着。そこからの電車が、、、ない。
「駅が閉まります」そうアナウンスされて軽くパニックになりながら慣れない大都会に放り出された。
(とにかく親に電話しなきゃ)
そう思って急いで駅前の大きな広場に出る。そこで見た光景は高校生だった自分にはかなり衝撃的だった。
駅前やバス停のベンチが全て「泥酔したサラリーマン」によって埋め尽くされている。その数はおおよそ7〜8人。マンガで見るような酔っぱらいが実在するのは分かったが、それがこんなに大量にいるとなると話は別だ。異様すぎる。田舎じゃ夜に人すらいないというのに。
純粋な田舎っぺ高校生は律儀に声をかけた。
「大丈夫ですかー?」
「ぐがぁー。。。ぐがぁー。。。」
ぐっすり寝ていてこちらに気づかない。泥酔した人なんて初めて見た。こんなに気づかないものなのかと思った。いくら大イビキをかいていても母ちゃんだったら呼んだらちゃんと起きるし、父ちゃんも外で寝ない。
(くっ!オレ一人で7〜8人も相手にするのは無理だっ!)
なんとかしなきゃという使命感もすぐに消え、潔く諦めた。同時に、
(大人って大変なんだな~)とか
(意外とちゃんとしてないんだな~)とか
(マンガみたいな世界は本当にあったんだ〜)
なんて発見してまた別の興奮が湧いてきた。この日は一度に色々な体験をしすぎて眠れないだろうなと思ったが、あっさりマックで突っ伏して寝た。親は1時半頃に迎えに来てくれた。
この日を境に、「自分はお酒で失敗するような大人にはならん」と決めたのだが、まぁあとはお察しの通りです(笑)
兎にも角にも、世の中大変なことだらけなので浴びるようにお酒を飲んでしまう気持ちは分かる。おじさんたちはみんな頑張っている。分かってるぜ、まぁお互い人に迷惑かけない程度に飲もう!
みんな「お疲れー」