イライラすんなよ、イライラするなぁもう。
◯概要
不機嫌なときは包み隠さず全面的に主張してくる、アピール強めなおじさん。彼と共に仕事や家庭生活をしていくには相当な忍耐と許容量が必要。ときおりパワハラやモラハラに発展するので早めに叩き潰すか離れた方が無難である。
◯特徴
・根が子どもっぽい。
・我慢ができない。
・感情ぶつけがち。
・でも後悔や反省はしない。
・周りの人が気を使う。
・結果人が離れていく。
◯不機嫌おじさんに一言
部下にしか当たれないクセに・・・(ボソッ)
◯エピソード
その日も職場の先輩の機嫌が悪かった。言い方ひとつひとつにトゲがある。表情もギスギスしていてどんどん周りの雰囲気が悪くなっていくのがわかった。みんな近寄れない。報告もできない。ミスもしちゃいけない。そんな職場環境でいい仕事ができるわけがなかった。
「これはいけない。」そう思った自分。実は昔から人の気持ちや場の空気を敏感に感じ取るのが得意だったので、ムードメーカーとして活躍してきた自負がある。ここはガラッと雰囲気を変えようと思った。まずは原因の不機嫌おじさんをどうにかしなければ。そう思った瞬間、背後からぶっきらぼうな声がした。
「今日残業できる?」
声の主はもちろん不機嫌おじさん。心のなかで「キタ!」と叫んだ。対処法は過去の経験から知っている。みんな怖がるから、萎縮するから雰囲気が変わらないんだ。ここは意外な答えを出して流れを変えるのが正解だろう。
「さーて♪今日はどちらでしょうー?♪」
「・・・!」
「・・・?」
本当に時が止まった。
いや正確にはその場のすべての人間の動きが止まり、機械の音だけがひたすら鳴り続けていた。やっちまったことはすぐに悟り、身体の中からアドレナリンだかビオフェルミンだか分からないが、何かが出まくっていた。
「あぁ?どういうこと?もういいわ。」
彼は鋭い眼光を自分に突き刺すと、早足でどこかへ行ってしまった。上司から「もうどうでもいいヤツ」認定された自分。ふと周りを見たらみんな笑ってた。よかった、試合に負けて勝負に勝ったのだ。心のなかで小さな勝利宣言とガッツポーズをした。そしてもちろん定時で帰った。いや、いつも定時だけど。
この上司を始めほとんどの不機嫌おじさんは自分よりも立場が弱い人間にイライラをぶつけるもの。そうして自分の身分を大きくしている部分もあるのだと思う。
「部下にしか当たれないクセに・・・(ボソッ)」